小児疾患

小児疾患の代表的疾患

[1]インフルエンザ

(原因)
インフルエンザウイルス
(潜伏期)
1~4日
(症状)
38~39℃台の発熱 関節痛 倦怠感 咽頭痛 咳
(診断)
迅速診断キット (鼻咽頭拭い液・抗原定性検査)
(治療)
抗ウイルス剤を発症後48時間以内に投与すると解熱までの期間短縮が期待 できる
(合併症)
脳症
(登校基準)
発症した後5日経過し、かつ、解熱後2日経過するまで出席停止(但し、幼児は解熱後3日経過するまで)

[2]溶連菌性咽頭炎

(原因)
A群溶血性連鎖球菌
(潜伏期)
2~5日
(症状)
38℃台の発熱 咽頭痛 頸部リンパ節腫脹 発疹 腹痛
(診断)
迅速診断キット (咽頭拭い液・抗原定性検査) または細菌培養
(治療)
抗生剤
(合併症)
リウマチ熱、急性糸球体腎炎
(登校基準)
抗生剤内服後24時間経って、全身状態は良ければ可能

[3]アデノウイルス咽頭炎/咽頭結膜熱(プール熱)

(原因)
アデノウイルス
(潜伏期)
2~14日
(症状)
38~39℃台の発熱 咽頭痛 結膜炎 咳
(診断)
迅速診断キット (咽頭拭い液・抗原定性検査)
(治療)
対症療法
(登校基準)
咽頭結膜熱では主要症状が消失した後2日経過するまで出席停止

[4]ヘルパンギーナ

(原因)
コクサッキーA群ウイルスなど
(潜伏期)
3~6日
(症状)
38~39℃台の発熱 咽頭痛(口蓋扁桃に小水疱)
(治療)
対症療法
(合併症)
無菌性髄膜炎
(登校基準)
発熱なく、全身状態は良ければ可

[5]手足口病

(原因)
コクサッキーA群ウイルスなど
(潜伏期)
3~6日
(症状)
発熱 手掌や足うらや口腔に水疱性丘疹
(治療)
対症療法
(合併症)
無菌性髄膜炎
(登校基準)
発熱なく、全身状態は良ければ可

[6]伝染性紅斑(りんご病)

(原因)
ヒトパルボウイルスB19
(潜伏期)
4~14日
(症状)
微熱 顔面と四肢に紅斑
(治療)
対症療法
(合併症)
日光で再度紅斑でることもある
(登校基準)
発熱なく、全身状態は良ければ可

[7]ノロウイルス感染症

(原因)
ノロウイルス
(潜伏期)
12~48時間
(症状)
発熱 嘔吐 下痢
(治療)
対症療法
(登校基準)
嘔吐や下痢が改善して、全身状態は良ければ可
但し、便中に3週間以上排泄されることもあるので、うがいや手洗いを励行すること

[8]麻 疹

(原因)
麻疹ウイルス
(潜伏期)
7~18日
(症状)
発熱(38~39℃台、一度解熱後に再度38~40℃台) 咳、鼻水、結膜充血、口蓋内頬粘膜にコプリック斑と顔面から体幹に紅斑
(診断)
抗体検査
(治療)
対症療法
(合併症)
脳炎 肺炎
(登校基準)
解熱後3日経過するまで出席停止

[9]風 疹

(原因)
風疹ウイルス
(潜伏期)
14~21日 
(症状)
発熱 後頭部 頸部リンパ節腫脹 顔面から体幹に紅斑 
(診断)
抗体検査
(治療)
対症療法
(合併症)
脳炎 血小板減少性紫斑病 先天性風疹症候群
(登校基準)
発疹が消失するまで出席停止

[10]水 痘

(原因)
水痘帯状疱疹ウイルス
(潜伏期)
10~21日
(症状)
発熱 体幹から四肢に皮疹 水疱
(診断)
抗体検査
(治療)
抗ウイルス薬
(合併症)
とびひ 脳炎 ライ症候群
(登校基準)
すべて発疹が痂皮化すれば登校可

[11]流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

(原因)
ムンプスウイルス
(潜伏期)
12~25日
(症状)
発熱 耳下腺腫脹
(診断)
抗体検査
(治療)
対症療法
(合併症)
脳炎 無菌性髄膜炎 難聴
(登校基準)
耳下腺腫脹した後5日を経過し、かつ全身状態が良好となるまで出席停止